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 インフルエンザ

インフルエンザの症状

 インフルエンザはインフルエンザウイルスによる感染症で、1日から5日間の潜伏期の後、急に38℃以上の発熱が出現し、咽頭痛、鼻汁、咳、頭痛、関節痛、筋肉痛などの症状を伴います。発熱は2?5日間続きますが、ほとんどの人は1週間以内に特別な治療をしなくてもなおります。ただ、乳幼児、高齢者、さらに心臓や肺に病気があったり糖尿病や悪性疾患など基礎疾患をもつ人では、肺炎になるなどより重症化したり、基礎疾患の悪化を招いたりすることもあります。さらに非常にまれではありますが、意識障害をきたす脳症を発症する、さらには最悪の場合死に至ることもある病気で、軽く考えてはいけません。
 インフルエンザウイルスには多くの種類がありますが、ヒトに感染し、大きな流行をもたらすのはA型のうちのソ連型と香港型、B型の3種類です。話題となっている鳥インフルエンザは、今のところ人から人に強く感染することはないと考えられています。

インフルエンザの診断

 インフルエンザを確定するには、のどや鼻からぬぐい液を採取してウイルスを分離したり、血液検査でインフルエンザに対する抗体価の上昇を確認しますが、結果が出るまでにかなりの日数がかかることから実際にはそれほど用いられていません。
 現在広く行われているのが、インフルエンザ迅速検査です。のどや鼻腔ぬぐい液を採取して、30分以内に結果を判定できます。しかし。ウイルスの量が多くないとインフルエンザだったとしても陰性に判定されることがありますので、発症してからまもない時や充分な量の検査材料がなければ正しい判定はできません。できれば、発熱が出現して1日たってから検査することが望ましいと考えられています。
 インフルエンザ流行中に、先ほどの症状が出現すれば、インフルエンザの検査をせずに症状だけでインフルエンザと診断することもあります。迅速検査で陰性であっても、インフルエンザであることはありますので、症状だけでインフルエンザと診断することも一概に誤りではありません。しかし、インフルエンザには、軽症例や非特異的な症状を呈する例も多く、症状だけで診断するのは難しいことが少なくないのも事実です。

インフルエンザの予防

 インフルエンザは、インフルエンザ患者の咳やくしゃみなどの飛沫と共に放出されたウイルスを、健康な人が鼻腔やのどに吸入することによって感染します。インフルエンザ患者の1m以内にいるとその危険性は高くなります。インフルエンザが流行している時には人混みは避けるべきです。
 空気が乾燥すると、のどの粘膜が本来もっている感染防御機能が低下し、インフルエンザにかかりやすくなります。室内の湿度(50?60%)にも注意しましょう。外出時にはマスクの利用や帰宅時のうがいや手洗いは、効果が限られてはいますが、かぜの予防の基本としておすすめします。また、インフルエンザが飛沫で感染することから、飛沫の量やひろがる範囲をおさえるためにインフルエンザにかかっている方が咳、くしゃみをする時には必ずティッシュで鼻・口をおおってからしてください。マスク着用もしてください。

インフルエンザワクチンについて

 インフルエンザワクチンの接種を行うことで、インフルエンザによる重篤な合併症や死亡を予防することが期待できます。ワクチンの効果は、年齢、本人の体調、そのシーズンのインフルエンザの流行株とワクチン株が一致しているかで変わります。
 アメリカではワクチン株と流行株が一致している場合には、65歳以下の健常成人での発症予防効果は70?90%と報告されています。自宅で生活している高齢者の場合は、60歳以上で予防効果は58%程度で、70歳以上ではさらに低下すると推測されています。また3?9歳の健康小児では56%の予防効果と報告されています。
 日本では、65歳以上の健常な高齢者は約45%の発病を阻止し、約80%の死亡を阻止する効果があったとしています。1歳から6歳までの児では約20?30%の発病を予防する効果があったとしています。
 タミフルなどインフルエンザに対する治療薬はありますが、感染しないようにするのが一番です。特に65歳以上の方や基礎疾患を有する方では、インフルエンザが重症化しやすいので、かかりつけの医師とよく相談のうえ、接種を受けておかれることをお勧めします。
 インフルエンザの流行株は毎年変化しますし、ワクチン接種による重症化の予防に有効な免疫レベルの持続期間はおよそ5ヵ月間と考えられていますので、毎年シーズン前にワクチン接種を受けることが必要です。一般には、インフルエンザは年末から翌年3月までに流行することが多かったため、12月上旬までに接種すると、流行期間中をのりきれるはずですが、ここ2年は流行が2月に始まって7月ころまで続くことから、接種してもかかってしまう人が少なくありませんでした。流行の予想が年々は難しくなっています

インフルエンザワクチンQ&A

 最後に、インフルエンザワクチンについてよくうける質問をいくるか御紹介します。

Q:インフルエンザワクチンの副作用は?
A:平成18年度のインフルエンザワクチンによる副作用の報告状況等を厚生労働省が収集したものによると、平成18年度のインフルエンザワクチンの推定使用量は約1,877万本でした。薬事法に基づき報告された副作用は,107症例,149件ありました。主な副作用は,急性散在性脳脊髄炎(白質脳脊髄炎)20件,発熱11件,発疹等8件,注射部位の紅斑・腫脹等8件,肝機能障害等7件,ショック・アナフィラキシー様症状7件,痙攣6件,ギラン・バレー症候群4件などでした。この中には、ワクチンとの因果関係が明らかになっていないものも含めています。接種後の死亡が5名となっていますが、はっきりワクチンによるとされた方はいません。

Q:インフルエンザワクチンは1回?2回?
A:過去に何度もインフルエンザにかかったり、ワクチンを接種している成人では、1回接種するだけで過去に獲得している免疫が高められるので1回のみの接種が主流です。小児は当然、成人に比べればインフルエンザにかかっていることもワクチン接種の回数も少ないわけですので、やはり2回接種した方が効果が期待できるとされています。

Q:タマゴアレルギーがありますが接種できますか?
A:インフルエンザワクチンが鶏卵を利用して作られることから、タマゴアレルギーがある人は接種できないと思われている方が少なくありませんが、タマゴアレルギーでも接種できる場合もありますので、かかりつけ医で御相談してみましょう。

Q:妊娠中ですが、接種できますか。
A:インフルエンザワクチンはインフルエンザウイルスそのものが含まれているわけではなく、病原性は全くありません。ですから妊婦や授乳中の方も、インフルエンザワクチンは可能です。


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